エアコンの吹き出し口にできた黒い点。見て見ぬふりをしていると、次第に数が増えてきた。おそるおそるエアコンを開けると、フィルター奥にある熱交換器が真っ黒になっていた黒い点の正体は黒カビかもしれません。
黒カビは放っておくと、嫌な臭いのもととなり、人体へ悪影響を及ぼすことも。
また、間違った方法で取り除くと、逆にカビが広がってしまうこともあります。
今回は黒カビが吹き出し口に付いている場合と、エアコン奥に繁殖して真っ黒になった場合それぞれ自宅でできる正しいカビ対策を紹介します。
エアコンの吹き出し口に黒カビが・・・原因は?
エアコンの吹き出し口に黒カビができる原因は以下の2つが考えられます。
・エアコンの構造的な特徴
黒カビは風呂場や洗面所、窓、壁紙、カーテンなど家のさまざまな場所に発生するカビの一種で「主婦の敵」のような存在です。
黒カビの胞子は家中に漂っており、いろんなものに付着して増殖します。
黒カビの繁殖に適した環境には「温度・湿度・汚れ」の3つの条件が必要です。エアコンの吹き出し口は黒カビの繁殖にピッタリの条件を満たしているのです。
黒カビが発生するには温度20∼30℃、かつ湿度70%以上が必要です。
夏場のエアコンの設定温度は、カビが発生する条件の範囲内です。
一般的に梅雨の時期からエアコンを使い始めることが多く、梅雨から夏にかけての平均湿度は約70%前後なので、2つ目の条件も当てはまります。
エアコンのフィルターには、ホコリが付きやすくなっています。
エアコン掃除をしないと、黒カビのエサとなるホコリがどんどんたまります。
黒カビの発生する3つの条件をクリアしました。
また、エアコンの構造上、黒カビはできやすい特徴があるのです。
冷房や除湿をした後のエアコン内部には結露が生じます。エアコンの結露は、室内機の内部と室温の温度差によって生じます。結露が起きると湿度が90%以上になることもあります。
もはや黒カビが生えないほうがおかしい状況なのです。
黒カビのやっかいな面は、素材の奥まで深く根を張って入り込んでしまうことです。そのため、根っこまでカビを取り切れてないと、すぐに再発します。
エアコンのカビがもたらす健康被害
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、アレルギー反応を起こす原因物質「アレルゲン」が鼻の粘膜から体内に侵入することで起こる疾患を指します。
アレルギー性鼻炎の代表的な症状は以下の3つです。
- 発作的に連続するくしゃみ
- 透明でさらさらとした鼻水
- 鼻づまり
その他、目のかゆみや充血、皮膚のかゆみなど鼻以外の部位にも症状が出ることがあります。
「ほこりっぽい臭いがする」「吹き出し口から黒い点が見える」と感じたことはありませんか?
その場合は、カビが生えている可能性が非常に高いです。
すぐにカビ対策に取り掛かりましょう。
夏型過敏性肺炎
夏型過敏性肺炎はトリコスポロンというカビを、知らず知らずのうちに吸い込むことによって起こる肺炎です。
エアコンが原因となる事が多いため、5月から10月の間だけ症状が現れることが多いです。
夏型過敏性肺炎の代表的な症状は以下の3つです。
- しつこい咳
- 息切れや微熱
- 倦怠感
不思議なもので、旅行などで原因となるカビが浮遊している家から離れると症状が軽くなり、帰宅すると再び症状が出現します。
また、秋が深まり、「トリコスポロン」が増殖しなくなると、咳症状も自然に消えてしまうのが特徴的です。
化学物質過敏症
室内に化学物質を多く含んだ建築資材や内装材料が引き起こす、シックハウス症候群というものがあります。
この有害化学物質を、さらにエアコンが拡散し症状を引き起こします。
化学物質過敏症の代表的な症状は以下の4つです。
- 目、鼻、口、のど、耳、皮膚などに痛みや不快感
- 動悸や息切れ
- 吐き気や嘔吐
- めまいやけいれん
この状態を放置すると屋内で発症するシックハウス症候群から、屋外や微量な化学物質で反応する化学物質過敏症に発展します。
エアコンの吹き出し口の黒カビの対処法
エアコン吹き出し口の黒カビは表面に付いている状態なので、落とすことは可能です。
今から紹介する方法は、マスクとゴム手袋をしっかり着用して行ってください。
いすや脚立に乗っての作業することも多く、誰かに下を支えてもらうと安心して作業ができます。
吹き出し口を掃除する前に、自家製お掃除棒を作りましょう。
②割りばしに巻き付ける
落とし方①: 中性洗剤で拭き取る
まず、エアコンのコンセントを抜きます。
薄めた中性洗剤を含ませたキッチンペーパーを固めに絞り、風向きルーバーを手で回し開いて、吹き出し口の中を拭きましょう。
水分が多い状態で使うと、エアコンが故障する原因となります。細かい部分の拭き取りは、自家製お掃除棒で対応します。
いすに乗っての作業となるので無理はせず、見える範囲を拭きましょう。
また、転倒しないように気を付けてください。
落とし方②:お湯で拭き取る
中性洗剤を含ませたキッチンペーパーで拭く場合とほぼ同じ手順で、お湯だけで拭き取る場合も、固め絞ってから拭きます。
細かい所はお湯を含ませて、固く絞った自家製お掃除棒で拭き取りましょう。
エアコンの吹き出し口の黒カビの除菌方法
固く絞ったタオルやウェットティッシュで拭いただけでは不十分です。必ず除菌も行いましょう。
除菌方法①:消毒用エタノールを使って除菌する
「消毒用エタノール」はドラッグストアや薬局で手に入れることができます。手指や器具の消毒用として作られた消毒液で、薄めずにそのまま使えます。
タオルやキッチンペーパーに消毒液を含ませ、エアコンの吹き出し口を拭きながら、エタノールを塗りつけます。
消毒用エタノールは吹き出し口にスプレーしても問題ありません。
ただし、吸い込まないように、必ずマスクを着用して作業しましょう。
除菌方法②:無水エタノールを作って除菌する
「無水エタノール」も除菌に使えます。無水エタノールとは、エチルアルコールと呼ばれるアルコールの一種で濃度が高く、水拭きできない電子機器や、電化製品の洗浄に使われています。
すぐ蒸発するので、原液のままでは殺菌効果はありません。しかし、70~80%ぐらいに薄めると「消毒用エタノール」になり、アルコール消毒液として使えます。
無水エタノールと精製水の割合は4:1程度で、100㎖の消毒液を作る場合は、無水エタノール80mlに対して精製水20mlが必要です。精製水が手に入らない場合は、水道水を使用しても良いでしょう。
吹き出し口の拭き掃除と除菌が終わった後は、20∼30分くらい「送風」もしくは、暖房で乾燥させます。
黒カビがエアコンの奥まで発生している場合
カビはまず、結露の受け皿である「ドレンパン」で繁殖し、そこから「送風ファン」、「吹き出し口」へと広がっていきます。つまり吹き出し口に黒カビが見つかったときは、すでにエアコン内部もカビが繁殖しているのです。
ファンや熱交換器に黒カビが付着したままエアコンを動かすと、空気中にカビが放出されます。手の届かない内部に、汚れが蓄積されると異臭の原因になるほか、エアコンの機能低下も招くことになります。
プロのクリーニング業者を頼んで、クリーニングした後は防カビ対策もしっかり行いましょう。
エアコンがカビだらけの場合
エアコンがカビだらけの場合は分解して対処するしか方法はありません。
自分で掃除するか、業者に頼むか2つの方法があります。
自分自身でカビ掃除をする場合
自分でカビ掃除をする場合、まずはエアコン全体をビニールシートで養生して、コンセントを抜きます。
カバーパネルを開き、エアコンフィルター、吹き出し口のルーバー、本体カバーの順で取り外しましょう。
電源配線や電装パーツなど外せる部品を取り外したら、市販されている洗浄スプレーで洗浄し、防カビコートを行い再度組み立てます。
動画を見ながら挑戦する人もいますが、動画のエアコンが自宅にあるタイプと同じとは限りません。また、説明に食い違いが生じることもあります。
取り外してみたものの、パーツをもとあった場所に戻せずに、エアコンが2度と使えなくなった人もいます。
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業者に頼む場合
エアコンクリーニング業者に依頼するメリットは以下の3つです。
手間が省けて時間を節約ができる
掃除道具を買わなくて済む
効率が上がり、電気代の節約が期待できる
エアコンを自分で掃除すると最低でも2時間ぐらいかかります。業者に任せるとクリーニングの間に別の家事ができ、時間を有効活用できます。
自分でエアコンをクリーニングするなら、エアコン洗浄スプレーや養生シート、ゴム手袋、ブラシなどをそろえる必要があります。
大した金額ではありませんが、分解して大掃除するのは年1回程度なので、コスパが良いとはいえないでしょう。
プロの業者は、10L以上の水を使った高圧洗浄機でエアコン内部を洗浄します。
フィルターの掃除だけでは取り除けないエアコンの奥まで、スッキリと洗い流してくれます。
エアコンのカビ対策をプロに任せたほうがいいケース
エアコンの内部・フィルターや送風口の掃除は、時間も手間もかかる負担の大きい作業です。
仕事や育児に追われる環境で定期的なエアコン掃除をするのは、なかなか大変ですよね。
不安な方や、故障が心配な方
エアコンの掃除を自分でできるといっても、エアコンのフィルターを取り外して掃除したり、エアコン洗浄スプレーやエアコンクリーナーを吹きかけたりするところまでです。
電装部分に水をかけてしまった場合には、エアコンが故障してしまう可能性もあるので注意が必要です。また、周りが汚れないように養生するところからエアコン掃除を始めると、準備に手間取ってしまい、慣れないうちは1日がかりの作業になってしまうかもしれません。
その点、専門の業者であれば各パーツを分解して、エアコン内部を徹底的に洗浄してくれます。
エアコンのカビを効果的に予防する方法
「定期的なフィルター掃除」「部屋の換気」「電源オフの前に送風運転」
この3つを実行することで、エアコンにカビが生えないように予防できます。
定期的なフィルター掃除
エアコンのフィルターはホコリや汚れがたまりやすいため、それを養分としてカビが繁殖しやすいです。
また、たとえエアコン内部を徹底的にキレイにしても、日々のフィルター掃除を怠っていると、再びエアコンにカビが生えてしまいます。
それを防止するためには、定期的にフィルターを掃除するようにしましょう。
夏季や冬期などエアコンをよく使用する時期なら、1カ月に1回程度は掃除するのが望ましいです。
部屋の換気
住居全体の湿度を下げてカビが生えにくい環境にすることも、エアコン内部のカビの発生を抑制することにつながります。
除湿器を使って湿度を下げる方法もありますが、窓を時々開けて風を通すことによっても湿度は下がります。この際のポイントは、空気の入ってくるところ、出ていくところをなるべく離し、換気経路を長くとることが重要となってきます。
換気をすると空気に含まれる汚れが屋外に排出されるため、カビの養分を減らして繁殖を抑える効果もあります。
電源オフの前に送風運転
カビは水気を好むのでエアコン内部を乾燥させる必要があります。
除湿(ドライ)運転や冷房運転をすると内部に水分がたまるので、電源を切る前にしばらくの間、送風運転をして内部を乾燥させましょう。
30分〜1時間程度送風運転をするのがオススメ です。
送風運転でエアコン内部をしっかりと乾燥させることで、カビ菌を死滅・カビ予防に効果的です。
しかし、すでにカビが大量に繁殖している場合には、エアコンクリーニングできれいさっぱりカビを除去するのがオススメ です。
エアコンの吹き出し口の黒カビにお悩みならハートクリーニング
エアコンの吹き出し口に黒い点を発見した場合、エアコン内部の「送風ファン」「熱交換器」までカビが付着していることがあります。
拭き取り口のカビは何とか対応できても、内部の奥は分解して掃除するしか方法はありません。
分解してクリーニングすると部屋の空気がきれいになり、冷暖房の効率も上がるためエアコンの効きが良くなります。もちろん電気代の節約につながります。
創業12年目を迎えたハートクリーニングは、忙しい主婦の味方をしてくれるエアコンクリーニング業者です。作業実績数は10万件以上を誇り、2020年には「主婦がおすすめする清掃業者1位」に輝きました。
エアコンクリーニング代が9,680円で、2台目以降は8,580円。出張費、防カビ・抗菌コートは0円です。予約も取りやすく、もちろん土日も受け付けています。
損害保険にも加入しているので、万が一のことが起きても安心です。
吹き出し口に黒カビを発見した方は、ハートクリーニングへご相談ください。