エアコンを使用している最中に、突然エアコンから水滴が落ちてきて「まさか故障した?」などと焦った経験はありませんか?
その水滴の正体は、「結露」です。
しかし、なぜエアコンに結露ができるのか、原因を知っている人は少ないでしょう。
そこで今回は、エアコンに結露ができる仕組みや、結露が水漏れにつながる原因などについて詳しく解説します。また、エアコンの結露を予防する対策方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
エアコンに結露ができる仕組み
エアコンの結露は、エアコン内部と室内の温度差によって作り出されます。
エアコンは、室内の空気を吸い込み、冷房や暖房といった温度設定に見合う空気にし、再び部屋へと吹き出して快適な室温にします。
エアコンの結露ができやすい時期は、温かくて湿った空気になる梅雨から夏の時期です。夏特有の湿った空気をエアコンが吸い込み、内部で急速に冷やされたときに、吸い込んだ空気に含まれていた水蒸気が水分へと変化して結露になるわけです。
つまり、氷の入った冷たいジュースのグラスにたくさんの水滴が発生する仕組みと同じような現象がエアコン内部で起こっていると想像していただければ、分かりやすいかもしれません。
しかし、エアコン内部でできる結露は、各エアコンメーカーで想定されている現象のため、外につながる配管へと流れるように設計されています。では、なぜエアコン本体などから結露が水漏れのように出現してしまうのでしょうか。
それには、いくつかの原因があります。
結露が発生する原因は?
水漏れにつながる結露の原因には、以下の4つが考えられます。
- フィルターが汚れている
- ドレンパンの劣化
- エアコンの取り付けが悪い
- 排水設備の破損
通常では起こり得ない、水漏れのようなエアコンの大量な結露。想定以上の結露がエアコン内部で発生してしまったことで、エアコン本体の隙間などから溢れ出てきてしまいます。では、大量に結露が発生してしまう4つの原因について、詳しく解説します。
フィルターが汚れている
エアコンのフィルターがホコリなどで汚れていると、空気を吸い込んだり、吹き出したりする能力が低下します。
吸い込んだ空気が上手に吹き出されないため、冷却された空気がエアコン内にどんどんたまっていき、室内空気との温度差が生じて大量に結露が発生してしまいます。
フィルターは、吹き出し口のすぐ上に設置されているため、吹き出し口から水漏れのように結露が流れている場合は、フィルターの汚れが原因として考えられます。
ドレンパンの劣化
ドレンパンの劣化も、結露が発生する原因と考えられます。ドレンパンの役割は、エアコン内部にたまる水滴を受け止めることです。
しかし、長年使用していると、水あかやホコリなどがドレンパンに付着して水滴を受け止めることができなくなるほか、劣化して破損している可能性もあります。
ドレンパンが劣化していると、水滴を受け止めきれずに水漏れが起こってしまいます。
結露の水漏れが改善されない場合は、ドレンパンの劣化や破損、ホコリなどの付着がないかどうかを確認してみましょう。
エアコンの取り付けが悪い
エアコンが正常の位置で取り付けられていない場合、結露が上手に配管へと流れないため、水漏れが発生します。エアコンを取り付けるときは知識が必要なため、専門業者が行うのが通常です。
しかし、素人が設置したり、未熟な業者が設置したりした場合は、まっすぐに設置することができないなど、エアコンの取り付けが悪くなります。エアコンを取り付けたばかりで、結露が水漏れ状態となって滴り落ちてくる場合は、エアコンが正常に設置されているかどうかを確認する必要があります。
排水設備の破損
通常、結露は配管を通って外へと排出されます。しかし、長年の使用で配管を含む排水設備に破損が生じていた場合、結露を上手に外へ送り出すことができず、エアコン内部にとどまった結露が水漏れとして現れてしまいます。
また、配管は年中外へ出ているため、ホコリや枯葉が詰まった場合は、結露が流れません。
この場合、結露が逆流して再びエアコン内部に戻ってしまいます。結露は、行き先をなくした状態になるため、水漏れ現象が現れます。ほかの原因を改善しても、結露による水漏れが収まらない場合は、排水設備のチェックをしてみましょう。
エアコンの結露の対処方法
フィルタ―掃除
エアコンの結露が改善しない場合は、フィルター掃除をしましょう。
【掃除の仕方】
- マスクとゴム手袋を付けてエアコンの下に新聞紙を敷く
- エアコンの蓋をあけてフィルターを取りだす
- 掃除機でホコリを吸い取る
- お風呂場などで歯ブラシを使いながら汚れを落とす
- 洗い流したら水分をしっかりと拭き取る
- 完全に乾くまで陰干しをしましょう
汚れが落ちにくい場合は中性洗剤を利用してフィルターの網に詰まっている細かい汚れは爪楊枝を使うことをおすすめします。
熱交換器(冷却フィン)の掃除
エアコンを長く使用している場合は、熱交換器(冷却フィン)の汚れも考えられ、空気の通りが悪くなります。
【掃除の仕方】
- マスクとゴム手袋を付ける
- 床に養生と電装部品が露出している場合は養生する
- エアコンの電源を抜いてフィルターを外す
- 掃除機でフィンの表面の汚れを吸い取る
- 柔らかい歯ブラシ等でフィンの目に沿って優しく丁寧に汚れを落としていく
- フィンに満遍なくフィンクリーナーを吹き付けて15分程放置したらフィルタ―などすべてを戻す
- 10分以上送風運転をしてエアコン内部を乾燥させれば完了
クリーナーで洗い流された汚れはドレンパンに溜まるのですが、エアコン内部に残ってしまうとカビのエサになってしまうため、クリーナーのリスクを事前に知っておく事をおすすめします。
難しい箇所はプロの業者によるエアコンクリーニング
フィルタ―掃除と熱交換器(冷却フィン)の掃除方法をご紹介しましたが、自分で行うエアコン掃除は表面だけになってしまい内部までしっかり掃除するには難しいのと、フィルタ―やフィン以外にも様々なパーツが組み込まれているため、故障に繋がらない為にもエアコンのクリーニング業者に依頼することも検討しましょう。
エアコンの結露を放置するリスク
エアコンの結露が起こっているにも関わらず、そのまま放置をしていると、エアコン内部の湿度があがってカビが生えやすくなります。
そうすると、エアコンから排出される空気にカビの胞子が含まれるようになり、嫌な臭いや喉の痛み、アレルギー発生の原因となり健康被害に繋がる可能性があります。
エアコン内部にカビを発生させないためにも、日頃からの結露対策は大切です。
また、カビが発生すると自分で完全に対処するのは難しいため、業者にエアコン内部のクリーニングをしてもらう必要があります。
健康被害を防ぐためにも、早期の結露対策をしていきましょう。
エアコンの結露を予防する方法
水漏れにつながる結露の発生原因について解説してきましたが、続いては、結露を予防する対策方法について紹介します。
エアコンの結露を予防する対策方法は、以下の4つです。
・風向きを変更する
・結露防止運転機能を活用する
・風量を強めに変更する
4つともエアコンの結露を予防するための効果的な対策方法になるので、詳しく解説します。
エアコンの設定温度を変更する
結露は、温度差によって発生するため、温度差を少なくするために有効なのが「エアコンの設定温度を上げること」です。
暑い夏日は「早く部屋を涼しくしたい」という思いから、エアコンの温度設定を「20℃」など極端に低くする人がいますが、これは結露を大量に発生させてしまう要因となります。
「27℃」の温度設定でも、十分に冷たい風がエアコンから吹き出されますので、まずは結露の予防対策として、温度設定を高めにしましょう。
風向きを変更する
エアコンの吹き出し口に結露がある場合は、風向きを「上向き」に変更すると、結露の予防対策になります。
吹き出し口に結露ができてしまう原因は、風向きを「下向き」の設定にしていることで、吹き出し口に長時間冷却された風が当たり続けてしまうからです。
風向きは、「上向き」で設定しましょう。
結露防止運転機能を活用する
結露防止運転機能を活用すると、エアコン内部にある水分を除湿し、結露を防ぐ働きをします。結露防止運転機能は、メーカーによって呼び名が異なるため、説明書などで確認してみましょう。
また、使用方法もメーカーによって違いがあり、部屋が一定以上の湿度になったことを感知すると自動で除湿機能に切り替わって結露を予防するといった機種もあります。
風量を強めに変更する
風量を強めに変更する方法も、結露を予防するのに役立ちます。
節電などのために風量を弱く設定している人がいますが、風量が弱いと、暑い真夏などは部屋が冷えるまでの時間がかかります。
風量が弱くても、長時間冷却された風が吹き出し口に当たっていると、結露が発生する原因となります。
部屋が冷えるまでは、風量を強めに設定し、ある程度冷えてきたら弱めにするなど、結露の予防をしましょう。
まとめ
エアコンに結露ができ、水漏れのように本体などから滴り落ちてくる場合は、何らかの原因で想定以上の結露が大量に発生している状態になっています。
結露が大量に発生すると、故障の原因にもなるので注意が必要です。
原因を突き止めて改善するほか、普段から結露を予防する対策も行うようにしましょう。
また、結露が大量に発生する原因には、素人では掃除できないエアコン内部の汚れの場合があります。
ハートクリーニングでは、格安でエアコンクリーニングを承っていますので、結露だけではなく、エアコン全般のお悩みがある人は、お気軽にご相談ください。