寒い冬に部屋を温めてくれるエアコンは、暖房器具の中でもメジャーなものです。しかし、エアコンをずっとつけていると電気代が気になりますよね。
夏の冷房と比べても、冬のエアコンの暖房代は高額になります。少しでも節約したいと思っている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、暖房として使用した時のエアコンの電気代についてと、節約する方法をご紹介します。
エアコンの暖房をお得に使いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
エアコンの暖房の電気代はいくら?
エアコンの暖房をつけると電気代はいくらかかるかは、以下の式で計算できます。
1時間の電気代=1時間あたりの消費電力(kWh)×1kWhあたりの電気料金
「kWh(キロワットアワー)」は1kWの電力を1時間使った時の電力量を表す単位です。電気料金は「1kWhあたりいくら」と単価が決まっています。エアコンの消費電力に1kWhの単価をかけることで電気料金が算出できます。
エアコンの消費電力は、その日の気温、天候、エアコンの設定などにより変わるので1時間あたりの電気代も3円〜40円とかなり幅があります。
ここでは、1時間あたり910Wの電力を消費するエアコンを使っているとして計算してみましょう。1kWhが27円だとして、1時間あたりの電気代は「0.91kW×27円=24.57円」で1時間約25円です。同じエアコンでも設定温度を高くすれば消費電力が上がるため料金が上がり、温度を低くすれば料金は下がります。
1日のうちエアコンをつけている時間が11時間と仮定すると「25円×11時間=275円」なので、1日あたり275円です。さらに1ヶ月だと「275円×30日=8,250円」となります。
リモートワーク化が進み、ほとんど家から出ないでエアコンをつけっぱなしにする人もいるでしょう。その場合は1日あたり「16円×24時間=600円」、1ヶ月あたり「384円×30日=18,000円」です。
これはエアコンだけの電気代なので、ここに照明や冷蔵庫など他の電化製品の電気代も加わったものが1ヶ月の電気代となります。
暖房の電気代は冷房より高い?
エアコンの冷房と暖房では、暖房のほうが同じ時間あたりの電気料金は高くなります。理由は室内の温度と設定温度の差が、暖房のほうが大きくなるからです。
例えば、同じエアコンで冷房の消費電力は750W、暖房は910Wと消費電力が違う製品があるとします。この製品で冷房と暖房を使った場合、料金がどれくらい変わるのか計算してみましょう。
冷房を使用すると「0.75kW×27円=20.25円」となり、1時間あたりの電気料金は約20円です(※1)。一方、暖房を使用すると「0.91kW×27円=24.57円」となり、1時間あたりの電気料金は約25円です(※2)。たった1時間の使用でも約5円も差があるとわかります。これは、1日11時間使用した場合は55円の差、1ヶ月で1650円の差になります。
使用時間 | 冷房 | 暖房 |
1時間 | 20円 | 25円 |
1日(11時間) | 220円 | 275円 |
1ヶ月(30日) | 6,600円 | 8,250円 |
※1.2 「27円/1kWh」で計算した料金。
他の暖房器具を使用した場合と比較したら?
冬の暖房器具は、エアコン以外にもいろいろあります。他の暖房器具を使った場合とエアコンで暖房した場合では、料金はどれくらい違うかを比べてみました。
暖房器具 | 1時間あたりの電気料金 |
エアコン | 2.8円〜40円(参照:三菱ルームエアコンMSZ-ZW2522) |
セラミックファンヒーター | 弱:17.3円 強:31.6円(Panasonic DS-F1206 |
オイルヒーター | 16.2〜40.5円(デロンギ RHJ75V0915-GY) |
ハロゲンヒーター | 弱:8.9円 中:18.1円 強:27円(日立HLH-HS307) |
ホットカーペット | 中:8.6円 高:12.4円(Panasonic DC-3HAC1) |
こたつ | 弱:1.25円 強:3.78円(ニトリ リビングこたつ コラムS 120) |
表を見ると、こたつが最も電気料金が安いです。しかし、こたつはこたつ布団の中に入っている足元しか暖まらないため、これだけで暖をとるのは難しいでしょう。
部屋全体を温めるヒーターとエアコンを比べると、最小電力時の電気料金はエアコンが最も安いです。そのため、エアコンはコストパフォーマンスがいい暖房器具と言えます。ヒーターやホットカーペットを使うより、エアコンとこたつをどちらも弱くして使用したほうが料金は安くなります。
エアコンの暖房の適切な温度設定は?
エアコンの暖房は何℃に設定するのが適切なのでしょうか。
快適な温度は人によって違うかと思いますが、環境省は暖房時の温度設定は20℃にすることを推奨しています。この室温を20℃に設定する取り組みは「ウォームビズ」といい、2005年の冬から実施されています。設定温度を低くすることで、電気料金が下がり、さらに環境に悪影響となるCO2の排出量も抑えることができます。
設定温度を低くするほど、電気料金もCO2も減ります。薄着をして丁度いい温度に設定するのではなく、しっかり服を着て快適に過ごせる程度の温度設定にするなど工夫してみてください。無闇に温度を上げず、家計にも環境にも優しいエアコンの使い方をしましょう。
ただし、寒いのを我慢して体調を崩さないようにだけは注意してください。
エアコンの暖房は「つけっぱなし」と「こまめにつける」どっちが安い?
1時間以内の外出の場合
1時間以内の外出なら、一般的にエアコンは切らない方がお得です。エアコンを切って一度室内の気温が下がってしまうと、再びつけた時につけっぱなしにした以上に大きな電力が必要となります。頻繁に切ったりつけたりすると、料金が余計にかかると覚えておいてください。
数時間から半日程度の外出の場合
数時間から半日家を空けるのであれば、エアコンは消しておきましょう。スイッチを切っている時間が長い場合、ずっとエアコンをつけているよりも帰宅時に再び部屋を暖めなおす方が電力の消費量は抑えられます。
1日中外出の場合
1日中家を空ける場合も当然、エアコンは消した方がお得です。つけっぱなしにすると、環境にも負荷をかけてしまいます。寒い部屋に帰るのが嫌であれば、外出前にタイマーを設定することをおすすめします。
1日家で過ごす場合
1日中家で過ごす場合は、エアコンはつけっぱなしにしている方がお得です。温まったら消して、また冷えてきたらつけてと繰り返すと消費電力が増えてしまいます。設定温度を20℃にし、ずっとつけている方が結果的には消費電力を抑えられるのです。
エアコンの暖房の電気代を節約する方法
エアコンの設定を自動運転にする
エアコンは温度以外に風量も設定できますが、自分で設定せずリモコンで自動運転を選択することで電気代を節約できます。
エアコンの電気料金は、消費電力と時間で決まります。では、設定を弱くしておく方が、電力が抑えられるのでは?と思うかもしれませんね。しかし、弱く設定するといつまでも部屋が暖まらず、返って電力消費が大きくなる場合もあります。
一方、自動運転にしておけば、設定温度までは風量を強くして部屋を暖め、設定温度になった後は自動で風量が弱くなります。エアコンのセンサーが室内の温度を感知し、最も電気代がかからない効率の良い方法で部屋を暖めてくれるのです。
こまめにフィルターの掃除をする
こまめにフィルター掃除すると、無駄な電力消費を防ぎ節約できます。エアコンのフィルターの汚れは、効きが悪くなる原因です。フィルターがほこりなどで目詰まりすると性能が悪くなり、室温を設定温度に上げるまでフル稼働する時間が長くなり電気代がかさみます。
掃除をすることで、エアコンが最小電力でよく効く状態を保てます。環境省によると、2週間に1回を目安に掃除をすると、暖房時は6%の電力消費の削減につながるとのことです。
掃除の方法は、フィルターのほこりを掃除機で吸ってから水洗いしましょう。キレイにしたフィルターをよく乾かしエアコンに取り付けて、掃除は完了です。
窓を断熱する
窓を断熱すると、部屋が暖かくなりエアコンの電気代の節約になります。
エアコンでいくら部屋を暖めても、窓から冷気が入ってきて室内の熱が逃げていくと室温はなかなか上がりません。室温が上がるまではエアコンはフル稼働するので、電気代もかかります。
窓を断熱するのにおすすめなのは、ホームセンターなどで販売している断熱シートです。貼るだけでエアコンの熱が逃げなくなり、部屋を暖かく保てます。併せて、断熱効果のあるカーテンを使用するとより効果的でしょう。
風向きと扇風機で足元を暖める
風向きの調整や扇風機の利用で、エアコンを強くしなくても部屋が暖かくなります。
暖かい空気は上にたまる性質があるため、足元が冷えがちです。足元の冷えから「寒い」と感じてエアコンの温度を上げると、電気代も上がります。
足元が寒くなった時は、まずエアコンの風向きを下に向けて暖かい空気が足元まで届くようにしましょう。さらに、扇風機を上に向けて使用することで、天井付近にたまった暖かい空気が降りてきます。こうすることで、エアコンの設定温度を上げなくても体感温度を上げることができるのです。
室外機のメンテナンスをする
エアコン本体だけではなく、室外機の性能も電気代に関わっています。
室外機の前をもので塞いでいると性能が落ち、電気代がかさみます。室外機の周りには何も置かないようにしてください。積雪で室外機が塞がる場合も、同じようにエアコンの効きが悪くなります。そのため、雪の降る地域であれば防雪アイテムで対策したいです。
また、室外機は外にあるため汚れやすいです。室外機の中に汚れやゴミがたまっても、パフォーマンスが落ちます。1年に1〜2回は室外機の外側、裏側に付いているフィン、吹き出しグリル、水抜き穴を掃除しましょう。自分では面倒という方は、業者に頼むことをおすすめします。
電気料金のプランを見直すことで安くなる可能性も
電気料金の単価は、電力会社のプランによって変わります。プランを見直すことで節約になる可能性も高いです。
電気料金を求める式は、以下です。
1時間の電気代=1時間あたりの消費電力(kWh)×1kWhあたりの電気料金
ここまでご紹介してきたエアコンの節約方法は「消費電力」を下げるものでした。電気料金のプランの見直しは、「1kWhあたりの電気料金」を下げることで節約しようということです。エアコンだけではなく、家全体の電気料金が下がるので節約には効果的です。
2016年に電力自由化により選べる電力会社が増え、ライフスタイルに合った電気料金のプランも増えました。例えば、東京電力エナジーパートナーにはこのようなプランがあります。
・基本料金+使用した分の料金で、電力の使用量に合わせ単価が変わる
・基本料金+使用した分の料金で、電力を使用した時間帯に合わせ単価が変わる
ほかにも、ガス会社や通信会社などが電力サービスを提供しています。自分がいつ電気を使う時が多いのか、どれくらい使用しているのかに合わせてプランを選んでみてください。
エアコンのクリーニングはハートクリーニング
ハートクリーニングでは、プロの手によるエアコンのクリーニングを行っています。
エアコンを掃除することは節電につながりますが、自分で掃除できるのはフィルターやカバーなど一部のみです。弊社では高圧洗浄機により、通常では落としきれないエアコン内部の汚れをしっかり落とします。
エアコン内部と同様に自分では掃除が難しい、室外機の洗浄オプションもございます。エアコンクリーニングと一緒に室外機も徹底洗浄することで、エアコンの風量回復が見込めます。
弊社は創業以来、15万件以上のエアコンをクリーニングしてきた実績があります。その実績から、臭いやカビなどのお客様のエアコンの悩みを豊富な知識で解決することが可能です。
定期的にプロによるクリーニングを行うことは、電気代の節約はもちろん、エアコン自体の寿命を長くすることにもつながります。清潔でお得にエアコンを利用したいなら、ぜひ一度ハートクリーニングにご連絡ください。
まとめ
エアコンの暖房の電気料金がいくらかかるかと、節約の方法をご紹介してきました。
エアコンの暖房は、弱めにして使用すれば他の暖房器具より電気代がお得です。エアコンの電力消費を抑えつつ、電気料金のプランも見直せば大幅な節約が期待できるでしょう。
エアコンが汚れてくると、性能が落ちて余計な電気代がかかります。エアコンの電気代を節電したいという方は、プロによるクリーニングもおすすめです。
今回ご紹介した知識を活かし、ぜひお得にエアコンの暖房を使ってくださいね。