エアコンの効きが悪くなったと感じる時はありませんか?
まず初めに思いつくのが、フィルターなどの汚れかもしれませんが、掃除してもあまり変わらない場合、エアコンガスが不足している可能性があります。
この記事ではエアコンガスが不足しているかどうかを判断する方法や、ガスを補充する必要の有無、ガスを補充する方法などを紹介しています。エアコンの調子が悪いと思ったら、ぜひ参考にしてみてください。
エアコンにガス補充は必要なのか?
エアコンガスとは、冷媒ガスのことをいいます。冷媒ガスはエアコンと室外機の間を配管を通じて循環しているガスで、空気中の熱を移動させる役割があります。例えば、冷房を使用している時には部屋の熱を外に逃がすために必要な物質です。
通常であれば、冷媒ガスが漏れ出すことはないためガスの補充は必要ありません。しかし取り付けで不備があったり、エアコンや配管が故障したりすることによって、冷媒ガスが漏れ出てしまうケースがあるのです。
冷媒ガスの補充は、ガスがなぜ漏れているのか原因を特定した上で補充しなければいけないので、少し難易度の高い作業だと言えるでしょう。
エアコンにガスを補充するタイミングは?
エアコンの寿命は15年程度といわれており、基本的には寿命まで冷媒ガスが漏れたり不足することはありません。
しかし以下のような状態が確認された場合や出来事があった後で、エアコンの効きが悪くなったと感じるのであれば、ガス不足の可能性を疑った方がいいといえます。
- 配管パイプの接続部品が外れている
- 室外機のキャップが緩んでいる
- 配管の経年劣化・亀裂がある
- エアコンが故障した
- エアコンの取り外し・取り付け工事をした
- 室外機を無理に動かした
- 自分でエアコンの奥まで掃除した
エアコンのガス漏れチェック方法
エアコンの冷媒ガスが漏れているかもしれないと思ったら、以下の方法で確認することができます。
・検知液で確認
室外機に霜がついているか確認
まずエアコンを冷房にし、15分程度稼働させます。その後、室外機の下側にある配管パイプの様子を確認してください。ガスが漏れている場合、配管パイプに霜がついているケースが多いです。
水分がついている場合は、ガス漏れの可能性は低いですが、霜も水分もついていない場合はガスが不足しているでしょう。冷却していれば配管は冷たくなっているはずですが、触ってみても冷たくないのであれば、ガスの補充が必要です。
検知液で確認
冷媒ガスが漏れているかを確認するための専用の検知液があります。この検知液を使えば漏れている箇所を特定するのに役立ちます。配管の接合部や配管が劣化している部分などガスが漏れそうな箇所に、検知液を吹きかけましょう。
もしどこかから泡が発生していれば、その部分からガスが漏れていると判断できます。
【自分で行う!】エアコンにガスを補充する手順とは?
冷媒ガスは引火しやすいため、全くの素人が自分で行うことはおすすめできません。ある程度の知識がある方が自己責任で行う場合において、どんな手順でガスを補充するのかを簡単に解説します。
ガス補充する際に必要なもの
まずは、ガス補充に必要なものを揃えましょう。
- フルオロカーボンガス:冷媒ガス
- チャージングスケール:ガスの補填量を測定するもの
- ゲージマニホールド:圧力計、連成計、台座などのセット
- チャージングホース:冷媒ガスを補填するためのホース
特殊な工具になるため、一から買い揃えると3~5万円程度かかります。
レンタルするのであれば、3,000〜5,000円程度で済ませることができるでしょう。
エアコンのガス補充の作業手順
エアコンの冷媒ガス補充の手順は以下の通りです。
- 必要な器具と室外機を繋げる
- 真空引き
- 気密試験
- ガス補充
- バルブを閉める
冷媒のガスの補充と聞くと、残っているガスに新しくガスを注ぎ足すようなイメージを持ちますが、ガスが残っていても一度全て抜き切ってから新しいガスを入れるようにしましょう。ガスの種類によっては抜かなくても使えるものもあります。
1.必要な器具と室外機をつなげる
まずは室外機や配管に残っているガスを抜くために、真空ポンプと室外機をチャージングホースを用いてつなげます。このとき、必ず室外機の低圧側のバルブにつながっていることを確認してください。
2.真空引き
必要な道具を繋いだら、真空ポンプを使ってエアコン内のガスを完全に抜きましょう。バルブが開いている状態で、真空ポンプの電源を入れて10~15分ほど稼働させ、ガスをしっかり抜き取りましょう。
マニホールドのゲージ圧が-0.1MPa以下まで下がったことを確認できたら、低圧側バルブを閉め真空引きが完了します。
3.気密試験
真空引きをしたあとポンプの電源を切り、マニホールドのゲージ圧に変化がないか確認しましょう。変化がなければ問題ありませんが、ゲージが変化している場合は、配管の破損や部品の緩みなど、ガスが漏れている原因を探る必要があるでしょう。
ゲージ圧に変化がなければ気密が保たれていると判断し、ガスを補充します。
4.ガス補充
冷媒ガスはエアコンの機種によって量が規定されているので、必ず守るようにしましょう。チャージングスケールを使いながら、規定量を超えないよう慎重に補充します。
チャージスケールの上のガスボンベをのせ、ボンベ分の重量を差し引くために重量を0にセットしてください。マニホールドと冷媒ガスボンベとをつなぎ、室外機の低圧側バルブにつなぎましょう。
バルブを開けて、規定量分の冷媒ガスを充填してください。
5.バルブを閉める
規定量の冷媒ガスが補充できたら、マニホールドのバルブを閉めてからボンベのバルブを閉めましょう。室外機、冷媒ガスボンベからチャージングホースを外せば、冷媒ガスの補充は完了です。
冷房の効き目が回復しているかどうか、確認してみてください。
自分でガス補充する際の注意点
ここでは冷媒ガスを自分で補充する際に気をつけるべきポイントについて解説します。
冷媒ガスの種類に注意
冷媒ガスには以下のようにさまざまな種類のものがあり、なんでも使用していい訳ではありません。
- R22 単一冷媒
- R410A 二種混合冷媒
- R32 単一冷媒
自宅のエアコンに使われているガスの種類を知るためには、室外機に貼られているシールを確認しましょう。
爆発や火災に要注意
エアコンに使われる冷媒ガスは引火しやすいため、使い方を間違えると爆発や火災といった取り返しのつかない事態になりかねません。冷媒ガスの補充は専門的な知識が必要になるため、全くの素人がDIY感覚で行うにはリスクが高いといえるでしょう。
ガス不足かもと思ったら、プロの業者に依頼した方が無難です。
ガスの種類によっては買い替えが必要
冷媒ガスの充填をする時には、まずどんなガスが使われているか確認しましょう。古いエアコンの場合には、製造が終了しているガスを使用しているケースもあります。
このような場合はいくら業者であっても在庫を持っていなかったり、新たに入手できない可能性が高いです。その際にはエアコンごと買い換える必要があることを理解しておきましょう。
エアコンのガス補充を業者に頼んだ場合の相場は?
エアコンの冷媒ガスの補充を業者に頼んだ場合の費用相場について調べました。
冷媒充填:15,000〜25,000円前後
冷媒ガスの種類によっても価格は異なります。現在の新しいエアコンに使われている冷媒ガスは、「R32」が主流ですが、古いタイプよりも費用が高い傾向があります。
料金に差が出る理由として、ガスの種類以外にも補充するガスの量や選ぶ業者によっても差が出ます。またガスの補充だけで済めばいいですが、配管が破損していてガスが漏れているような場合には、修理費用なども必要になることを理解しておきましょう。
ガス補充は自分で行うこともできないことはないですが、特殊な道具を揃える必要があったり、危険と隣り合わせであることを考えると、業者に依頼することをおすすめします。
コストに不安があるのであれば、事前に見積りをとり複数の業者を比較するといいでしょう。
まとめ
エアコンの冷媒ガスについて、補充のタイミングや補充方法、注意点、業者に依頼する場合のコストなどについて紹介しました。通常であれば漏れることはない冷媒ガスですが、何かのきっかけで漏れてしまう可能性もゼロではありません。
冷媒ガスの補充はリスクが高いことと、ただガスを補充するだけでなく、ガスが漏れた原因を突き止めなければ意味がありません。
こうなると専門的な知識や経験が必要になるため、素人では手に負えなくなってしまいます。こうしたことからも、冷媒ガスが不足しているかもしれないと思ったら、業者に相談することをおすすめします。